PONTE VECCHIO

山根 大助 プロフィール Daisuke  Yamane  Profile

白トリュフ

白トリュフは9月下旬~12月上旬に採れる。アルバ産が最も有名だが、ウンブリアやトスカーナ、エミリア=ロマーニャ、なぜかアブルッツォでも採れる。訓練されたトリュフ犬が探す事でも有名だ。
数あるトリュフの中でも白トリュフは香りの強さ、値段でも他を圧倒するチャンピオンである。高い時は1kgあたり100万円を超える。揮発性の強い香りはどんどん消えていくため、保管できる期間も非常に短い上、香りと共に重さもどんどん減っていってしまう。
卵と非常に相性が良く、目玉焼きの上にかけたりもする。卵をたくさん使ったパスタに合わせたり、チーズフォンデュに黄身を加えたものや、それにカルドンなど野菜をつけて食べたりもする。必ず客席で薄く削ったトリュフを料理にふりかけ、逃げていく香りを追いかけながら食する。

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ポルチーニ茸

イグチ科のキノコ。和名はヤマドリ茸。イタリア料理屋にとってはキノコの王様である。香り、肉質のボリューム感、ジューシーさ、旨味、どれをとっても他の追随を許さない。イタリアの他は、ヨーロッパ各国やカナダ、中国雲南省でも採れる。数は少ないが日本でも採れることは採れる。
種類は非常に多く、黄色いものや黒いもの、赤いものもある。味はヤマドリ茸が一番おいしいと思う。シーズン外には乾燥と冷凍のものが出回るが、冷凍すると酵素の働きで甘ったるい味と香りに変質する。それを防ぐために、うち用に加熱後、急冷凍したスライスをつくってもらっている。これはなかなか良い。酵素の働きを止めることで糖化変質を防いでいるので、フレッシュの時の風味がしっかり残っていて、とても気に入っている。今の所ほとんどポンテベッキオグループだけで消費している。

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自家製ボッタルガ(からすみ)

ボッタルガはボラの卵巣を塩漬け、乾燥、熟成させたもので、毎年11月中旬になると、成熟したボラの卵巣を長崎から仕入れて作っている。
旨味やコク、塩味がしっかりあるので、料理にプラスアルファが欲しい時にもよく使う。主役にもなり得る名脇役。ドラえもんとのび太くんに対するジャイアンのような存在。
ボッタルガには、mugine(ボラ)の他にtonno(マグロ)やmaruca(ハタ)のものもある。数ある魚卵の中で最高においしいご馳走のひとつだ。僕は味、風味、質ともにボラのものが最高だと思う。大好きで年がら年中大量消費している。刻んでアツアツのパスタにかけると最高!
店で作っているものは熟成期間があまり長くないので、柔らかくねっとり感が強い。熟成期間が長くなると黄金色から褐色になり、乾燥も進む。用途と好みによって、どれくらいの熟成具合にするかを調節する。

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ビーツ

アカザ科フダンソウ属。砂糖大根(てんさい)もこの仲間。初秋から冬が旬。日本では長野や愛知、静岡でわずかに生産される。 ロシアのボルシチに入れることでよく知られる。大変鮮やかな赤い色が特徴。イタリアでもピュレにして、手打ちのパスタに練りこんで色付けに使ったりする。

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天然トラフグ

天然トラフグ産地は下関が有名だが、瀬戸内や九州、北海道でも獲れる。養殖がほとんどだが、天然と味が全然違う。天然は身が大変強く、骨に肉がへばりついて取れないほどである。魚というよりは肉に近いような身のつき方である。僕のイメージは“超おいしい鶏肉”。キメが細かく締まっていて、かつパサパサしない。ゼラチン質が豊富。肉には脂肪分はほとんどなく、肝には脂肪がしっかりついている。
肝には毒があることで有名だが、毒がないものが6割だそう。毒性はエサによって違うみたい。また夏に近づくと毒性が強くなる。大きな肝が入っている場合はとても惜しいけど、食べたりお客様にお出しすることはもちろんできない。
フグは2~3kgを超えると急に味がおいしくなる。さらに天然のフグは2~3日(養殖は1日)ねかせて熟成させた方がより旨味が増す。これは実際に色々試した結果である。
白子は2月から3月が最もおいしいが、身は産卵直前の時期は味が落ちる。また、産卵を終えた初夏も身はおいしい。

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白アスパラ

白アスパラはしっかり火を入れて、うんっと柔らかくした方がおいしいなぁ。
先日の講習会メニュー でも白アスパラのブロードがけを作ったけど、かなり濃いブロードを合わせても、アスパラに歯ごたえが強いと味が絡まない。アスパラにある程度以上しっかり火が入ると急に水っぽさが消えて、ねったりとした食感と独特の風味が出てくる。茹でれば比較的簡単だが、それだと水っぽくなるし、味が抜けちゃうので僕は少量の水分か100℃のオイルでゆっくり煮るかしている。蒸し煮はかなり長時間かかるし、水分が無くなればまた少量足す事を繰り返さなければならない。しかも少し油断すると焦げる。
今日は柔らかくなったその白アスパラにアスパラピュレを加えたオランデーズソースをかけて焼いてみた。
上から生ハムとシブレットを散らしてめっちゃうまかった。でも、やはり大事なポイントはアスパラが柔らかくねったりとなっていること。日本の他の店で食べるアスパラはほぼ100%固くて水っぽい、シャキシャキした食感の物だが、この白アスパラがジューシーでおいしいと思ってる人は、白アスパラの真実を知らない。他の野菜もそうだが、しっかり火を入れないと出てこないおいしさってあると思う。でも水っぽくならず、個性を消さず、くきっとした香りも消さず、しっかり火をいれるのはとても難しい。白アスパラを使ってそう思った。

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